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石けんと合成洗剤の違い その2
 

合成洗剤とはどのようなものなのか?

石けんが良いとか、合成洗剤が悪いと言う前に、
石けんとは、どういうものか?合成洗剤とはどういうものか?
といった基本的なことを知ることが必要です。






水環境を守り、からだに優しい洗剤「海へ」

 アタックが悪い洗剤ではないことがわかっても、なんとなくイメージが悪くて使うのをためらう人がいるのではないでしょうか?
 写真の「海へ」洗剤は、アタックを上回るグリーンケミストリーの技術で作られた洗剤です。綿や化繊はもちろん、アタックでは洗えないウールや絹製品も洗うことができます。しかも、使う洗剤の量は、アタックの数分の1なので、水を汚しません。



合成洗剤と石けんの常識のウソ◆オリジナル冊子
「合成洗剤・石けんにまつわる7つの誤解」

合成洗剤への恐怖を煽るばかりの本や情報が氾濫する中、この問題へのバランスの取れた見方を提供するために作った本です。


◆はじめての方へ
合成洗剤と石けんの問題を取り上げる理由を説明しています。

 石けん以外の界面活性剤を主体として作られた洗剤は、すべて合成洗剤です。その辺の店やスーパーなどで売られている洗剤類の中で、粉石けんとか○○石けんのように表示されて売られているものは石けんですが、そうした物以外はすべて合成洗剤ということになります。

 ただ、トイレ洗剤や漂白剤、カビ取り剤などは、塩酸とか次亜塩素酸ナトリウムといった化学薬品の化学作用を利用して汚れを落とす物であり、合成洗剤とは区別され、洗浄剤と呼ばれます。ただ、洗浄剤の中にも界面活性剤を含むものもあり、合成洗剤との区別は若干まぎらわしいと言えます。

 蛇足ですが、カビ取り剤は買う必要はありません。中身はほとんど水で、洗浄成分というか汚れを分解する成分として、「次亜塩素酸ナトリウム」という薬品が使われています。次亜塩素酸ナトリウムは、いわゆる「塩素系」と言われる漂白剤と同じ物です。だから塩素系の漂白剤でもカビは落ちます。カビ取り剤は、350円くらいしますが、塩素系の漂白剤なら100円ほどで買えます。どうせ中身は次亜塩素酸ナトリウムの5%くらいの溶液ですから、一番安い物を買いましょう。

 石けんとか合成洗剤という表示は、「家庭用品表示法」という法律に基づいて行われています。この法律に従うと体や衣類を洗うもので、石けん以外のものはすべて合成洗剤ということになります。

 家庭用品表示法は、安全性とか皮膚への刺激性とか様ざまな毒性、環境への影響などに基づいて表示を定めているわけではありません。界面活性剤の主成分が石けんならば、「石けん(脂肪酸ナトリウム)」という表示になるし、石けん以外の界面活性剤が主成分であれば「合成洗剤」という表示になるのです。



一般的な合成洗剤について

 代表的な合成洗剤である花王の「Newアタック」を例に、合成洗剤とはどのようなものかを見ていきます。

 アタックをはじめ合成洗剤や石けんには、「家庭用品表示法に基づく表示」というものがあります。これによると、Newアタックの成分は下記のようになります。

 
界面活性剤26%
  • 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
  • ポリオキシエチレンアルキルエーテル 
  • 水軟化剤
  • アルカリ剤
  • 工程剤(硫酸塩)
  • 分散剤
  • 蛍光増白剤
  • 酵素

 難しい薬品の名前が出てきたからといって、読むのをやめないでください。できるだけわかりやすく説明します。

 表示の中で、上の二つは界面活性剤です。水軟化剤から下はビルダー(助剤)と呼ばれる界面活性剤の働きを助けるためのもの。合成洗剤は、界面活性剤とビルダーから作られています。

 いちばん上に「界面活性剤26%」とありますね。アタックは26%が洗浄成分である界面活性剤で、残りはビルダー(助剤」)から成っています。アタック以外の合成洗剤もたいがい30〜40%くらいが界面活性剤で、残りがビルダーです。

 ちなみに「シャボン玉石けん」という会社が「良い」と主張して販売している純石けんは、99%が石けん分であると宣伝しています。それが本当なら、界面活性剤がほぼ100%ということになります。

 アタックの界面活性剤の一つ「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」は、略してLAS(ラス)と呼ばれ、アタック以外にもアリエールなどいろいろな会社の商品に広く使われている界面活性剤です。石けんと同じ陰イオン系の界面活性剤で、石油から作られます。代表的な界面活性剤の一つです。

 LASは、日本では1970年頃から使われている界面活性剤で、それまで一般的に使われていた「ABS(分枝鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)」という界面活性剤の代わりに用いられるようになりました。

 ABSは、今日の石けん運動の始まりになったともいえる問題のある界面活性剤で、洗浄力は高いものの生分解性が悪く、川などに放出されると泡が立ってしまい、なかなかその泡が消えません。洗浄力重視で肌への影響が大きいことも問題になりました。洗剤による手荒れはもちろん今でもありますが、ABSが使われていた頃は、もっと被害は大きかったと思われます。

 特に分解性の悪さは、海外でも問題になり、イギリスやドイツ、アメリカなどの合成洗剤先進国から順に、もっと生分解性の良いLASに切り替えられていきました。日本でも1970年頃にLASに切り替えられ、河川が泡だらけになるなどの問題はかなり改善されました。

 とはいっても、LASは石けん運動の人たちからはいまだに「危険だ」と攻撃されています。確かにLASはABSより生分解性が良くなったとはいえ、石けんには劣ります。もっと新しいタイプの界面活性剤と比べても分解性の点で劣ります。皮膚への刺激の度合いも石けんよりも強いし、最近の手に優しいタイプの合成洗剤と比べても刺激は強いと言えます。

 「じゃあ、だめじゃないか」とは思わないでください。

 合成洗剤の中では分解性は悪く、刺激は強い方ではありますが、他の化学物質と比べてものすごく分解性の悪いものだというわけではありません。石油から作られることも悪く言われますが、石油から作るからこそ、食用にもできる貴重な油脂原料を節約できるとも言えるのです。下水道の完備した都市部で、特に肌が弱いといったことがない人であれば、使っても問題はないと思います。 


 界面活性剤の毒性については、別のページで詳しく見ていきます。

 アタックに使われている2番目の界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、石油からもパーム油などからも作ることができる界面活性剤です。面白いことに、石油から作られるものの方が毒性が低いというデータがあります。

 これは「非イオン界面活性剤」と呼ばれ、液性は中性です。石けんやLASなどの陰イオン系の界面活性剤は、水がアルカリ性でないと汚れを落とせないのに対し、非イオンタイプのものは酸性でもアルカリ性でも洗浄力を発揮します。LASより生分解性も高く、皮膚への刺激も石けんと大差ないくらいに低い。LASに代わり、台所用の合成洗剤に使われることが多くなってきました。中性のため、石けんのアルカリが問題になるような人は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(以下AEと略す)主体の合成洗剤の方が使いやすいかも知れません。

 AEのような非イオン界面活性剤は、泡立ちが少なく、低濃度でも洗浄力があるのが特長です。「少ない量でも害がある」という否定的な見方を石けん運動の人たちにされがちですが、「原料を大幅に節約でき、より少ない量で洗濯ができる」と、長所として考える方が素直でしょう。使う量が少ないわけですから、石けんと違いBOD(生物化学的酸素要求量)を高める有機汚濁がとても少なくて済むという利点もあります。

 毒性とかBODについては、他のページであらためてお伝えしますが、AEに関しては魚毒性以外に問題となる毒性は、ほとんどないと言っていいと思います。つまり、人間にとってはあまり問題となる毒性がないということです。


 
            このページのまとめ

 合成洗剤とは、石けん(脂肪酸ナトリウムまたはカリウム)以外の界面活性剤を主体に作られた洗剤の総称です。それ以外に特に法的な取り決めはなく、同じ「合成洗剤」に分類されるものでも様ざまなものがあります。

 合成洗剤は、界面活性剤とビルダーとよばれる洗浄助剤からできています。界面活性剤は、石油から作られる物、ヤシ油やパーム油のような植物油から作られるものがあります。

 石油から作られる代表的な界面活性剤がLAS(ラスと読む:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)です。石油からできているというと、悪い物のように思われがちですが、石油から作るからこそ、食料にもなる貴重な油脂原料を節約できるともいえます。

「非イオン界面活性剤」というものもあり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルコールエトキシレート:AEと略す)が代表的なものです。こちらは石油からも植物油からも作ることができます。

 AEは、界面活性剤の中ではかなり安全性は高く、中性や酸性の水でも洗浄力を発揮し、使用量が少なくて済むという長所があります。


 次は、合成洗剤や石けんにも使われている界面活性剤の働きを助ける物質、「ビルダー(洗浄助剤)」について説明します。

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